システムのレイアウトと同様にスピーカーケーブルの配置は気になるものです。そこでスピーカーケーブルを所定の位置に安定して配置できるように十分な重さを持たせたスピーカーケーブルサポーターを開発しました。
国内では「ケーブルインシュレーター」と呼ばれていますが、海外では「Cable lifter(ケーブルリフター)」とか「Cable elevator(ケーブルエレベーター)」と呼ばれているもので、材質や形状は様々です。

EXCURIOのスピーカーケーブルサポーターCSS1、CSW1の機能としてはケーブルを床面から距離を取りつつ、ポジショニングを行います。 
オーディオではケーブルの”引き回し”、つまり、ケーブルのポジショニングも重視されます。 スピーカーケーブルには低い周波数から高い周波数まで複雑で大きい電流が流れます。 その電流により近接したほかのケーブルに干渉することがあります。 反対に、スピーカーケーブルにコモンモードのノイズをほかのケーブルから受けてしまうこともあります。 不定、無秩序のケーブルレイアウトではシステムの構築に支障をきたすことでしょう。 このスピーカーケーブルサポーターでケーブルポジションを決めておけば日常のシステムのメンテナンスや清掃などでケーブルを外してもレイアウトの再現がし易くなります。

もう一つの機能として、ケーブルを持上げることで他のケーブルなどと距離をもって交差することが出来ます。 それは視覚的にも状態を認識することが可能となります。 これによりスピーカーケーブルと結合を避け、ノイズを低減することができます。

さらに、スピーカーケーブルをリフトアップすることで床との接触、摩擦がなくなり、摩擦帯電列での問題も避けられます。 スピーカーケーブルサポーターCSS1、CSW1の材質は広葉樹の天然木を使用してケーブルが接する面を非導電性としております。 ご存じのように木材は静電気を適度に逃がす能力を生かしています。

スピーカーケーブルサポーターCSS1、CSW1は錘を備えることで、木片だけでは得られない低重心と重量によりポジショニング機能を安定させています。 錘は非磁性であるオーステナイト系ステンレス鋼を用いました。 スピーカーケーブルと錘の距離を十分にとることで渦電流の発生を低減するように配置しています。 また、シェルの木部と錘の固定には弾性接着剤を使用し、シェルの振動が錘に伝わる際に減衰をさせています。

スピーカーケーブルサポーターCSS1、CSW1のデザインは円筒形であり、側面への音は拡散するように機能しますので、システムの音場に影響を与えることを避けられます。


開発したスピーカーケーブルサポーターの天面の溝は1本と2本の2種類としました。スピーカーケーブルのレイアウトにはシンメトリな部分が多いと思いますが近接している部分には2本溝のタイプを、それ以外を1本溝のタイプで位置決めができますのでスピーカーケーブルの配置に自由度が広がるものと考えます。床材に対して安定したスピーカーケーブルの配置ができるようにスピーカーケーブルサポーターの底面にはコルクシートが貼られています。
表面は水性ウレタンニスで落ち着いた色で仕上げております。